日本政策金融公庫と制度融資 

多くの起業家の方が利用しやすい創業融資として日本政策金融公庫による信用保証協会による保証付きの融資があります。
ここでは日本政策金融公庫と信用保証協会について解説します。

①日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は2008年に複数の政府系金融機関が統合して発足した株式会社です。
株式会社ではありますが、法律により国が100%の株を保有することが定められており、民営化されることはありません。その運営についても法律によって定められているため「政府系金融機関」と呼ばれております。
日本政策金融公庫はその目的に「一般の金融機関が行う金融を補完することを旨とし、国民一般、中小企業者及び農林水産業者の資金調達を支援するための金融の機能を担うとともに・・・」と記載されており、事業への融資としては小規模企業への融資など民間金融機関が避けてしまう分野を補完する役目をもっています。
このような背景から日本政策金融公庫はこれから起業する方々に積極的に融資をしてくれる金融機関です。
近年の実績では、平成28年28,392企業 平成29年28,116企業 平成30年27,979企業と高い水準を維持しています。

②信用保証協会
信用保証協会は「信用保証法」という法律に基づく公的な機関です。信用力に乏しい中小企業や起業家が融資を受けられるように「信用保証」をしてくれます。
保証人になってくれる代わりに信用保証料が支払う必要があります。
万が一、金融機関への返済ができなくなった場合には信用協会が債務者である本人に代わって弁済(代位弁済)を行います。ただこれにより信用保証協会はその債務について求償権をもつため、信用保証協会が支払った債務は元々の債務者に請求されます。結果的には返済先が金融機関から信用保証協会に変更しただけという状況になります。
信用保証協会は各都道府県に設立されており、その区域内の企業を対象に業務を行っております。

日本政策金融公庫と信用保証協会は融資条件などが異なる部分があるのですが、大きな違いは日本政策金融公庫が起業家や経営者に直接的に貸し付けを行うのに対して、信用保証協会は債務の保証を行うという形式をとることです。保証協会が融資を行うということはありません。